キミ色の夏



……一緒に過ごしてきた時間は全部、私の体を奪うためだけのもの……。


1年生の時に初めて喋ったあの時からずっと。

ずっとずっと、ずっとそれだけが目的で……。



「おい、笑えよブス。 笑ってた方が多少はマシだろ」



ゲラゲラと笑う剛くんの声が響く中で、

私は柚希くんと一緒に居た花火大会のことを思い出していた。



──『ここから花火を見ればイヤなことは全部忘れられるよ。 期待しとけ?』



……柚希くん。


あの時の花火のことを思い出せば、

全部忘れられるかな……?


今この瞬間のことも、忘れられるかな……?



「ゆずき…くん……」



涙が溢れ続ける中で、

私は柚希くんの笑顔を思い出しながら静かに目を閉じた。






「おい、笑えって言ってんだろッ!!」



  パンッ!!



と、再び頬を叩かれる。

手加減とかそういうのは一切無い。



……ほんと、私って馬鹿だね。

こんな人のことをずっと好きだったなんて……。


こんな人のために泣いていたなんて、本当に馬鹿だよ……。