キミ色の夏




歪んだ笑顔。

私の知らない顔で笑う剛くんが、ジリジリと距離を詰めてくる。



「だからお前のことも欲しかったんだよ。 顔も名前もブサイクなくせに、体はイイモノ持ってるからな。
……ま、お前とヤる前にもっとイイモノ持ってる女から告白されたから、すぐにそっちに乗り替えたけど」



……私に近づいてきたのは、体が目的……?


私と別れたのは他の子から告白されたから……。

私よりも可愛くて素敵な子から、告白されたから……。



「けどさぁ、やっぱお前のことも欲しいんだよね。
公原と一緒に居るのを見たらますます欲しくなったよ」



ニヤリと笑った剛くんによって、再び腕が掴まれる。



「お前とヤれば、またアイツの絶望した顔が見れるじゃん?」

「……っ……」

「人の女を奪う時のこの快感、お前にはわかんねーよな。 あぁでも、別の意味では快感を味わえるか。
俺がお前の全部をもらう。 全部を奪ってやるよ」



ヌルリとした舌が首筋を這う。


涙がボロボロとこぼれ落ちて、叫びたいのに声が出ない。

こんなの、イヤ……。


……イヤなのに、声が出ない……。






「うっわー、ブサイクな顔がもっとブサイクになってるじゃん。 ほんっとにお前は、マシなものは体しかねぇな」



ズキン と心臓が痛くなる。

剛くんは、本当に……ずっとずっと、最初からそれだけが目的だったんだ……。