キミ色の夏



ガシャンッ と大きな音が辺りに響いた。


音の方を見ると、自転車が倒れていて……、



「先入ってろって言ったじゃん」



……その自転車の持ち主、柚希くんが慌てた様子で私に近づいてきているのが見えた。


ハァハァと肩で息をする彼は、私の頭をコツンと叩いてからスポーツドリンクを差し出した。

……ブルーのラベルのスポーツドリンク。


柚希くんの、お気に入りの飲み物だ。



「……また、飲みかけだね」

「文句言うな」

「文句じゃないよ。 ……ありがとう」


「うん」



息を整えながら、柚希くんはペットボトルの蓋を開ける。

飲みかけだったそれを私が口に含むと、どこか安心したように微笑んだ。


そしてそのあと、柚希くんは剛くんを見る。

真っ直ぐ、真剣な顔で。



「ありがとう、杉田。 お前が居てくれて助かった」

「……いえ、俺は何もしてません。 あのっ……トッコと約束してたのって……」

「あぁ、うん俺。 俺たちダチだから」


「……」

「じゃあ、俺たちもう行くから」



私の肩を抱きながら、自転車のところへと向かう。

倒れた自転車を起こしてサドルに座った柚希くんは、後ろに座るよう私を促した。



「行こう」

「……うん」

「しっかり掴まって」



荷台に腰を下ろしたあと、柚希くんの体をしっかりと掴む。


頭がボーッとする中でチラリと見えたのは、

渋い顔で私と柚希くんを見る剛くんの姿だった。