『お前、世界で一番キモイ。死ねよ』
耳から離れない言葉がある。
その言葉を放った男の子は、きっと、何の悪意もなかったんだと思う。
心に思ったことを、率直に言っただけなのだ。
小四の夏。
確かに、私はひどい顔をしていた。
『とびひ』という皮膚病にかかって、顔中に水ぶくれが出来ていた。
仕方なかった。
大人だって、同情と気味悪さを混ぜた目で私を見てきたし、男の子が言った言葉を心の中で思っていたことに違いない。
その子の目の前では、鼻で笑って過ごしたけど。
そんな言葉を言われたと誰かに言うときでも、笑い話にできたけれど。
もちろん、涙なんて一滴も流れなかったけど。
それでも、小四の、今より幼い私の心は深くえぐられた。


