気を取り直して、門田の隣の席に座った。
まだ10分くらいあるから、長野くんが来るかもしれないじゃん。
「なぁ、近藤。冬休みの宿題、もう終わらせたやつある?」
門田が話しかけてくるのを、講習の準備をしながら、答える。
「あー、現代文の漢字練習なら終わらせたで」
「早いな。今日から冬休みやのに」
「勉強はできる間にやっとかな」
冬休みは、宿題じゃなくて、英語と化学の総復習に使いたい。
「今年もクラブ忙しいのん?」
門田の質問は止まない。
私が和太鼓部だということは、門田にはもうとっくに知られている。
ちなみに、門田はサッカー部。
「忙しいよ。1月に大事な本番がふたつもあるし」
1月には、本番がふたつ。
一つ目は、地元のとんど祭りでの演出。
これは、一時間ほど時間が設けられていて、私の高校で演奏されている曲、全てを叩かせてもらえる。
もう一つは、芸術文化祭り。
略して、芸文祭。
和太鼓部のある大阪の高校ばかりが集まるコンクールだ。


