誰よりも大切なひとだから。




憂鬱な気分を盛り上げようと、私はひそかに振り向いて、そこに座っている顔を見た。


……長野くん。


彼は成績表を眺めたまま、どこか苦笑いのような表情を浮かべていた。


あーあ、やっちゃった、とそんな感じ。


手持ち無沙汰だから、手帳をパラパラとめくりながら、彼を見つめる。


彼も手持ち無沙汰なのか、シャーペンの芯をカチカチと出したかなーと思ったら、また仕舞うという作業を繰り返している。


すると、視線に気づいた彼が顔を上げて、私たちは目があった。


「悔しいん?成績」


気難しい顔をする私に、長野くんが訊いてくる。


その通りなので、コクンと頷いた。


「近藤さんって、結構負けず嫌いなんや」


「……そうやねんな」


負けず嫌いで、プライド高い。
頑固で、素直じゃない。


父と母の悪いところばかりを見事に受け継いでしまった私は、こんな自分が大嫌い。