誰よりも大切なひとだから。




「近藤。残念やった。2位や」


ズキッと胸が痛む。


先生は成績表を私に渡す。


「体育が足引っ張ったな」


そんなこと、言われなくてもわかってる。


なんせ、バドミントンのサーブが打てなかったから。


私は無言でその紙を受け取って、席に戻った。


途端に私の周りに人が集まる。


「近藤さん。何位!?」


「見せて見せて!!」


私の成績表は、クラスメイトの手によって奪われる。


「学年2位かー!残念やったなぁ」


「ってことは、トップは隣のクラスの山本さんかな??」



みんな、自分の成績表はいそいそと隠してしまうのに、私には、プライバシーなんてもの、ない。


みんな、成績のトップ争いを誰が征したのか、気になって仕方ないのだ。


もう私の紙がどこに行ったのか、わからない。


だけど、私にとっては、紙の行方はどうでもいいことだ。


あとで叫べば誰かしら、返してくれる。


今更、慌てて奪いとったところで、明日には私の成績は、学年中……いや学校中に広がるのだ。