誰よりも大切なひとだから。




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朝。8時。


教室の窓にあるカーテンを大きく開けるところから、私の1日は始まる。


それが私の日課。


12月の教室はかなり寒いが、こうすると日の光が教室に差し込んできて、少し暖かい。


教室にエアコンが設置されているが、先生方はケチなので、8時25分にならないと入れさせてはくれないから。


クラスのみんなは、まだ来ていない。


私はいつもこのクラスで登校するのが1番早い。


次に来るのは、大体、8時15分にくる長野くんかな。


彼は電車通学だから、いつも決まった時間に登校する。


なんでそんなに早く学校行くん?とよく友人に質問されるが、理由は至って簡単。


他人と押し合いへし合いして、駐輪場に自転車を止めたり、靴を履き替えたりするのが、嫌なだけだ。


それに、誰も来ていない、この静かな空間は、とても心地よい。


一人、まるでこの学校には私以外の人が存在しないんじゃないか?そんな感覚に陥らせてくれるこの寂寞の風景の中で、風の音を聞き、鳥のさえずりを聞く。


誰にも邪魔されない、静かな自然。


幸せなひとときだ。