誰よりも大切なひとだから。




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私は昔から、ポーカーフェイスが得意だ。


だから、私が長野くんの行動にドキドキして心がかき乱されたことに、気づいたのは、きっと、私だけ。


だけど、確かに私は感情の変化を自覚した。


……話しかけたい。長野くん。


もう一回、あの笑顔が見たい。


帰りの電車に揺られながら、そんなことを思った。


長野くんは今、他の男子と喋っている。


私に見せるその背中は、遠い。


私と同じ背丈の背中。
男子にしては、随分、細身で小柄。


……どうしよう。


その背中に声をかけたい。
彼が最寄り駅で降りてしまう前に、"また学校でね"って、言いたい。


"今日は楽しかったね"でもいい。


……何か言いたい。


帰る前に、バイバイの前にもう一回、笑っているのを見たい。


だけど、彼は、私の存在なんて忘れたかのように、おしゃべりに夢中だ。