長野くん。
そういえば、電話で私のことを
"誰よりも大切なひとだから"
って言ってたよね?
その言葉。
そっくりそのまま返すよ。
長野くん。
これ以上、あなたを困らせたくはないから。
あなたの本当の笑顔が見たいから。
だから、バイバイ。
私は今日も教室にいる。
だけど、少し離れるね。
「勉強しよ。数学終わらさなきゃ」
私はそう呟いて、長野くんに背中を向ける。
呼吸を整えて、問題を読み始める。
好きになって、ごめん。
あなたを困らせて、ごめん。
私の恋は終わった。
だけど、きっと私は、彼への恋を忘れない。
何年経っても、あなたじゃない愛し愛される人に巡り合っても、きっと、私は初めて想いを告げたあなたのことを忘れない。
ふと毎日の片隅に、あなたのことを思い出して、そして、今日の日を思い出す。
そのとき、記憶の中のあなたが、優しく微笑んでくれたらいいな。
その笑顔を見て、懐かしさに瞳を細めることができたら、いいな。
*end*


