「……告白してよかった」
生まれて初めて、自分の恋と向き合えた。
恋は叶わなかったけれど、それでも自分との将来を真剣に考えて悩んでくれた人がいるだけで、充分すぎる幸せだ。
『初めてやったから。"好き"って言われたのは。だからホンマに嬉しかった』
「……うん。ありがとう」
私の好きな人は、真面目で優しくて。
だけど、時々、おっちょこちょい。
沢山の優しさをもらった。
沢山の笑顔をもらった。
「長野くんは最高の男友達やな」
『俺にとってもそうやった。こんなにも話しやすい女子いなかったよ』
二人で話す朝のひととき。
勉強の話。進路の話。
家での話。先生たちの話。
ふとこちらが言えば、タイミングよく返事が返ってくる。
トントン拍子で進む会話がどれだけ楽しかっただろう。
「……告白しようって決めたとき。今までの関係が壊れるのが怖かった」
気づけば口が勝手に動いた。
余計なこと言うな、バカ。
自分の本音なんて、かっこ悪いじゃん。
最後は強がっていたかったのに。
「これからの関係がギクシャクするのが、ちょっと、怖かった」
私の本音を。
言えばきっと彼を苦しめると思っていた本音を、私は隠し通すことができなかった。
たけど"わかってるよ"とでも言いそうな吐息が耳元で聞こえる。
『大丈夫。近藤さんにそんな思いは俺が絶対にさせない』
当たり前だろ?とでも言いたげな口調に、私はホッと安堵のため息をついた。
「うん。ありがとう」
好きになったのが、あなたでよかった。


