彼は、再び語りだす。
自分の思いをぶつけてくれる。
まっすぐなそれに、私ができることは、ただ無言で受け止めることだ。
『俺さ。今年の体育祭で色々あって。凄く落ち込むようなことがあったんだ。正直、自信失くしてしまって』
それは突然の告白。
体育祭の頃。
それはまだ、私は長野くんをあまり知らなかった頃の話だ。
……何があったのだろう?
聞きたかった。知りたかった。
彼のすべてを。彼の心のうちを。
『……大切なひとを傷つけてしまったんだ。それで学校行くのも辛かった。
でも、そんなとき、近藤さんと仲良くなった。
それから学校行くのが楽しくなってさ。
本当に感謝してる』
「……私も、長野くんとのおしゃべりが凄く楽しかった」
これは心からの本心。
彼がいたから、勉強だって、学校だって頑張れた。
『俺にとって、近藤さんは心の支えで、本当に尊敬する人』
「私、尊敬されるような人じゃない」
『いや、本当に尊敬する。近藤さんは凄く頑張り屋さんだから。なかなかできることじゃないよ』
……今日はいつも以上に、優しい言葉をくれるんだね。
それが嬉しくて、私は傷つくどころか、微笑んでしまう。


