誰よりも大切なひとだから。




私は、書いた手紙を4つに折りたたんで、お菓子の入った袋にいれる。


40個近く用意したけど、長野くんだけは違う袋。


これが他の人の手に渡ったら、私の人生おしまいだ。
だからまちがわないようにした。


それから、あともうひとつ。


新しいメモを取り出して、書き込む。


"長野くんへ いつも仲良くしてくれているお礼に。誰もいないところで開けてね? 近藤"


誰にも見られないように手も打っておく。


当たり前だ。
おっちょこちょいで、ちょっぴり天然な長野くんだもん。


何が起こるか知ったことでない。


『長野くんへ』は机の中から見つけたときに人違いだと思わせないため。


『お礼』としといて、あくまで本命チョコではないことを地味にアピール。


『誰にも見られないところで』
あったりまえだ!
もし教室なんかで見て、この"好きでした"って文字が他の人に見られたら……。


死ぬよ?私、顔から火噴いて死ぬよ??


『近藤』っていうのは、誰からなのか一目でわかるように!
不信感持たれちゃ困るもん。


これをお菓子が詰まった袋の外にペタッと貼る。


準備完了。
あとは、当日、彼の机に入れるだけ。