「ありがと恭ちゃん」





恭ちゃんに家まで送ってもらった。




「おぅ。お前ほんとにその家のままでいいのか?俺の家来るか?」








「ううん。いいの。ここはパパとママとの思い出がいっぱいだから。それにお邪魔になっちゃうでしょ。」










「ん?あぁ。涼夏-リョウカ-のことか。アイツなら大丈夫だぞ~お前の事も可愛がってたしな。」










「日中なら大丈夫だろーけどさ…まぁほら新婚ならではのさ…夜の営みってのがあるじゃん」











「まぁ、そーだな。でもあれだぞ。そんな頻繁にシてるとかそーゆーのじゃ…」











「あはは!!わかってる~そんな顔赤くしないの~!!」









「べ!別に赤くなってねーよ!もう早く家ん中は入れ!!」










「はいはーい。わかりましたよー!じゃあ…





バイバイ恭ちゃん!!」










「ああ。早く寝るんだぞしっかり戸締りもしろよ!」










「わかってる~!!早く帰んないと涼夏さんさみしがるよ~!!」









バタン…


「ふぅ~…」






相変わらず静かな家だな。








「ママ、パパただいま。」








仏壇に飾ってある幸せそうに笑う二人にいつも通りただいまを言う。










恭ちゃんに言われた事を思い出す。








『そーだな。確かにみんながみんなお前を受け止めてくれるとは限らない。でもあいつらは…琉也はきっと受けとめてくれる。』










『アイツならきっと理解してくれる。性格は似てるように見てるがアイツは雷也はんとは180°ちがうぞ。』








本当に受け止めてくれるのかな。






本当にアイツとは違うのかな。









別に恭ちゃんが言ってる事を信じない訳じゃない。








恭ちゃんがあそこまで言うなら櫻井琉也もわりといい奴なんだと思う。









でもやっぱり







「信じるのが怖い…」