小泉に呼ばれたから
春川とばいばいして今は空き教室

「まだ小泉は来てないのか…」


ちょっとホッとしてる。
だってふたりきりなわけだし…

なんて考えてたら

「早っ」

「ちっ近くにいたからさ」


そうなんです。
屋上の階段降りてすぐ空き教室なんです…

30秒もかかってません!

「そ。」

「う、うん」

「なあ」

「わわわっ」


びっくりした。
小泉が抱き締めるんだもん

ほんとはやめてほしい…

春川の温もりが消えちゃう

「りおな」

「なに?」


小泉に名前を呼ばれてあたしは
顔をあげた

ほんとに一瞬のことだった。

「…へ?」


なにが起きたのかわからなかった。


「あの!えっと!いまのは…」

「喋んないで」


どうしよ!
いまならわかる。
さっき小泉にキスされたんだ

そして今も。

「こっい…ず…ちょっ…や…んん!?」


やめてって言いたくて口をひらいたら
激しくなるキス

小泉に理性なんてもうなくて
小泉の手があたしの体に服の上から触れてきた

「あっ…」

「りおなが悪い」

止めなきゃ

なにをしようとしてるんだろう

そう思っても

自分を求めてくれる小泉

それを手放したくなくて

制服を脱がされても

触られても

「あっ…んぁ…こいっ…ずみ…」


好きな人は春川のはずなのに

このときは小泉のことしか考えれなかった

もうこのまま…

でも。
小泉がベルトをはずそうとしたときに

ハッとした。

「だ、だめ!」

「…は?」

「…やっぱりむり…」

「知らねーよ」


別人みたいだった。何も聞いてくれなくて…

これを春川は言ってたんだ

怖い。怖い。怖い。

「やっ…だぁ…」


聞いてくれない小泉

あたしが悪い…

わかってるけど…

好きな人がいい。

春川…

涙が自然とでてきた

それを見た小泉が手を止めた

「あ…俺…」

「ひっく…」


もう涙は止まらなくて…

「ごめんりおな…ごめん…」


小泉に抱き締められた。