もものはな


18歳になった私たちは
10歳だったあの頃から
何も変わっていなかった



「羽奈…ノート見せて」

「もう!ちゃんと授業聞きなよ」

「お願い」

「…コーヒー牛乳ね」

「ノートくらいタダで見せろよ」

「早くしてよね!部活遅れるでしょ!」



最後の夏が近いというのに
蒼翔のこの気の抜けようといったら…


「もう!先に行ってるからね」

「おう」


私は蒼翔を教室に残して
先に校庭へ向かった