小学校5年生の春


これといった観光地もない
素朴な田舎の町に
蒼翔は突然やってきた


先生から挨拶しなさいと言われ
緊張しながらもみんなに

「…桃野蒼翔です…よろしくお願いします」

と言ったまだ幼い蒼翔の顔を
私は今でも覚えている。