「………哀しい曲…………………私、みたい……」


私は夜空を見上げる。

日はまだまだ昇る様子はない。


「夢ならば 覚めてほしいと 願う声 少女は歌う 鎮魂歌」


「君想い 流す涙は 美しく 夜空に馳せる 恋心」


短歌は好き。

妖になってから和風な生活してたからね。

歌うのも好き。

私は夜が明けるまで歌い続けた。


「…………………………」


鬼宿は寝たふりをしながら輪廻の歌を聴く。

暫くしてから再び目を閉じた。