……………戻るか。


「面白くない、というか楽しんでていいのかな………」


私はまた木の上へ上がり、幹へ凭れた。


「月の綺麗な夜に少年は少女と出会いました。

少女は……、少女は歌を歌っています。

少年は聞き惚れておりました。

ですが、少女は……………」



聞こえていますか、この歌が

君に届けと願います

君も歌ってくれますか

永久の眠りにつく私へ

別れの歌を



夜空に私の声は響いた。

静かに哀しい余韻を残して。