「つまり、気になって取って見たところ本の入っていた隙間がなくなっていたり、

自己主張のように飛び出してきたりね」


だから、落ちたのか。

馬鹿げた話だが、何故か素直に受け止めることが出来た。


「君が貰ってくれるかい?この本は君を選んだ」


「はい……」


私は沖さんの笑顔に見送られながら店を出る。

その時、頭にノイズが走った。

映るのは亀というか、亀に尾が蛇の黒き不思議な生き物。