「憂、……………大丈、夫?」


「咲―サキ姉……………は」


「ん、大丈夫……だよ」


私は目を開ける。

左目には血が入ってしまって開けることが出来ない。

ここは森の中。

家族旅行の途中で道路から転落した。

不幸なことに誰もいない。

誰かがあの突き破ったガードレールを見つけるまで助けはこないだろう。

周りを見渡す。

私はなんとか車から抜け出した。

どうやら、頭から血が出ているらしい。


「っ、咲姉!………足っ!」


咲姉を車から引き摺り出す。