何の躊躇もなく入る。

あの青い龍は消える。

その代わりにその場にあったのは一冊の本。

落ちているその本を拾う。


「……『四神伝奇譚』?」


なら、あの龍は……………


「青龍……………?」


本を開く。

青い光りが飛び出した。


「『四神伝奇譚』……………これは青龍に選ばれし少女の話である。……」


私は強さを増すその光りに呑み込まれた。

残った本はまた宙に浮き、うっすらと周りに同化して消えた。