「早く部活行ったら?」 「……滝井さ、日曜って時間ある?」 「は?」 「だ、だから……」 男はせわしなく視線を動かしながら、振り絞るように言葉をつむぐ。 上気とはちがう張り詰めた赤面に、不覚にもどきりとした。 「日曜?」 「俺、その日午後から部活休みなんだよ。だからその、よかったら日曜日…、俺にちょっと時間をく、くれないかと思って……」 もじもじした中に、返事のないことへの苛立ちの片鱗が覗く。 こんな顔、見たことない。 不謹慎ながら、可笑しくなった。 「おい、へ、返事は」