ずるいよ。



「あー。好きなんだ?
先輩、相変わらず分かりやすいよね。」


「朝岡?」


こいつ、いつもと顔が違う。

いや、目だ。


目が凄く怖い。獣が小動物を捕らえたような。


「先輩。覚えてます?

そーいえば、先輩の初恋壊しちゃったの
俺でしたね。」


あのときの記憶。

ぞわぞわっとよみがえってくる。


「どーゆー意味?」


出てきた声は微かに震えていた。