さわさわと、木々が揺れる音を聞いていた。
午後12時を回ろうとしたところで、彼は「あー、疲れた!勉強慣れないわ」そう言って席を立った。
「腹減ったしょ?親が用意してくれたシチューあるよ。食べよう」
そう言って私を一階に招いてくれた。
階段が本当に可愛い。
螺旋階段なんて一生縁がないと思っていた。
用意するのを手伝った方がいいのか
それとも黙って座っていた方がいいのか
考えているところで彼が「座ってて、温めるだけだか
」と椅子を引いてくれた。
さりげない優しさが嬉しかった。
温めたシチューはとても美味しかった。
「レストランの味がする!」と言ったら彼は「それは大袈裟」と言って手を口に当てて笑った。
ーー…彼の笑った顔はすごく優しい。
彼の一挙一動が私を刺激する。
食べ終わって部屋に戻ると、彼は勉強もうしたくないと言ってベッドに突っ伏した。
「ちょっと休憩する?」
「うん。そうする」
腕を目にあてて突っ伏していた彼が少しだけ私を見た。
鼓動が早くて…痛い。
「…あ、ねぇ。アルバム見せてよ」
「アルバム?」
「中学校の時の卒アル!」
良いけど、面白くないよ?
そう言いながらベッドから降りて几帳面に並べられた本棚からアルバムを抜いた。
ペラペラとページをめくる。
「小林くん何組?」
「1組」
1組のページの個人写真を見る。
「あ、いた」
今より少しだけ幼くて…けれど、今と変わらない笑顔を見て、顔がほころぶ。


