初恋triangle

「おはよー。慶ちゃん。」







「ああ、おはよ。」








「今日りっちゃんと帰るから先に帰ってても大丈夫だよ。」







「わかった。」





「…慶ちゃん、昨日から元気ないけど何かあったの?」







「いや、なんもないよ。」







やっぱり元気ない。
学校について靴を履き替えると、






「あ、市原さんおはよう。」






「あ、夕暮くんおはよう。」






「今日佐藤くんは?」





「あれ?さっきまで一緒に…」






気づくと慶ちゃんはいなくなってて。
教室行っちゃったのかな?






「大丈夫?ボーっとしてるけど。」






「あ、うん!大丈夫だよ。」







教室に上がりりっちゃんを見つけると、即座に抱きついてしまった。






「りっちゃぁぁぁん。」






「どうしたの。」






「なんか慶ちゃん怒ってる…。」







「なんで?」






「わかんない…。聞いてもなんにもないって言うし、さっき夕暮くんと話してたらいつの間にか置いてかれてて…」







「…桜花ほんとにわかんないの?」






なにが?
りっちゃんはなにか分かったのかな?






「何も…」






「んー、まぁ桜花は気にしなくていいんじゃない?」






「そうかな…。」






「それより、何かいいことあったの?顔がにやけてるけど。」






「へ?」






いいことといえば、
珍しく夕暮くんと朝会って話したことかな。
だけど、にやけてたなんて、大袈裟だ、







「ふっ。桜花、可愛い。」






「な、なにが?!」







「なんでもない!チャイムなるよ。」







その言葉と同時に肩を叩かれた。