初恋triangle

「桜花!」







「…慶ちゃん。」









「お前何逃げてんだよ。」







「だって…、言えないよ。ほのかちゃん幸せそうなのに…」







「ばーか。お前は優しすぎなんだよ。」








慶ちゃんはそう言って頭をぐしゃぐしゃっと撫でてくれた。








「ごめん…。だけど、好きだなんて言えないよ…」






「まずは小さいことから始めてみたら?連絡先きくとかさ。」







「…そんなこと緊張してできないよ〜…、」






好きと自覚するまでは普通にできたことが、自覚してからはすべてが恥ずかしくなり、できなくなる。



これが恋なのかな。







「んなこと言ってたら、あのほのかってやつに取られちまうぞ、」







「…分かったよ。」








そして、りっちゃんも追いかけてきて、りっちゃんに事情を説明して謝ると、自分の事のように泣いてくれた。







「じゃあ今日は解散すっか。」


「そうね。また月曜日ね。」







そして、慶ちゃんと帰って部屋に行った。






「しっかりしろ。私。」




そう自分に言い聞かせた。