初恋triangle

ガチャっ







突然ドアがあいて、入ってきたのは慶ちゃん。








「よぉ。」






「慶ちゃん…。」







なぜか慶ちゃんの顔を見ると涙が止まんなくて。







「やっぱりか。なんか嫌な予感したんだよ。まぁ電気くらいつけろよ。」






そう言って電気のスイッチを押して、床のカーペットの上に座った慶ちゃん。






「なんかあったか?」







「…あのね、」








慶ちゃんとは長い付き合いで、なんでも相談してきた。
だからこそなんでも話せてしまう。






「なんだその女。」






「だけど、それで傷つくのは夕暮くんで…。」







「桜花。お前夕暮のこと好きか?」







「それは…わかんない。話してると楽しいし、会えたら嬉しいし、名前を呼ばれると嬉しい。」








そう言うと慶ちゃんはふっと笑って、言った。






「それは恋だよ、桜花。」





「…恋。」





今までこんな感情味わったことなかったから分かんなかった。
これが恋の感情。


だけど、ほのかちゃんのためにはこの気持ちは封印しなきゃいけない。





「桜花。恋は自分のために動いていいんだ。」





「だけどほのかちゃんが…」





「そんなこと言ってくる卑怯な女の恋なんか応援するなよ。俺は桜花の恋を応援する。」





まっすぐ目を見て慶ちゃんは言った。