朝。

何の変哲もない退屈な朝。



まだ頭がぼんやりするけれど

とりあえず深春を見よう。


そうすれば、今日も頑張れるから。



ベッドから降りて机の上のパソコンを起動する。

深春の部屋につけた隠しカメラ。


それを通して深春を隅々まで見つめる。


「……今日もかわいいな、深春は」

僕、枢 久遠は永野 深春を愛している。

いや、《愛している》なんて言葉じゃこの想いは表しきれない。

それくらい、好きなんだ。


悲しいのは、僕の想いに彼女がまだ気付いてないこと。

どうにかして、彼女を僕のものにするんだ……!