「悪いけどしばらく一人で考えたい。
学校の行き帰りも別にしよう。」

「蓮!」



私の声をひたすらムシして歩いていく蓮。
私の声が届かない。
蓮の元へ届いていない。
蓮、お願い待って。
もう一度ちゃんと話したいよ。
そう叫びたいのに、体が声が言うことを聞かない。
自分の身体なのに自分の身体じゃないみたいに固まってしまう。
届かない現実がとても悲しかった。
どうしてこうなってしまったんだろう。
こんな風に変な溝が私たちの間にできてしまった。


「どうしたらいいの…」

「美波!」



私の帰りの遅さを心配してきてくれた真衣ちゃんは私の泣きはらした目を見て驚いていた。