蓮。
私、何もいらないよ。
もう何もいらないんだよ。

蓮に隣にいてほしいよ。



「もう限界かもしれないな、蓮。」



いつしか私の中にあるものが消えた。
ぷつりと音はしないはずなのに、音がしたかのように消えた。





『美波ちゃん、信じてほしい。』


「美波、俺を信じて』




信じるって何?
こんなにつらいことを我慢しろっていうことなの?
ずるいよ。
ひどいよ。
何も言わないで、一人で隠して。
私はわからないまま一人で不安になって。
蓮がわからないんだよ。
今何を考えてるの?
私のこと、一ミリでも考えてくれてる?
蓮の中には少しでも私はいるの?

こんなに蓮のことばかり考えている自分がすごく嫌だった。
まるですべてかのように、蓮に心を支配されているような気がして。