市立武光(たけびかり)中学校



それが私の通ってる学校



市内の小学校2校の生徒の大半が入学するため




生徒数は全校生徒合わせて1000人近くなる




いわゆるマンモス校というやつだ





勿論一学年のクラス数も多いわけで




去年だって私たち第一学年だけで7クラスまであった




今年はどうなってるのかな?




校内に入ると既にクラス発表の紙は貼り出されていて




周りには人がいっぱい群がっていた





………………見えない………





1年の時は背の順前からうん番目だった私には





人の群がりは壁となっていた





私がちっさいって?



違う違う



世界が大きいだけだからね、うん




きっと……そうだ…




そんなことを思いながら



私が1人背伸びをし、ちょっと飛び跳ねたり…などと奮闘していると





「アンタ、もしかして見えないの?」




見知らぬ男子に後ろから声をかけられた





男子にだよ




ここ重要





何度も言うようだけど私には【レッテル】というものがある




そのレッテルのせいで男子と話すなんてことはなかった






話しかけられるなんて尚更だ






「べ……別に…そういうわけじゃ……」




ないわけはないんだけれども





「名前は?」




「え??」




「名前だよ、アンタの名前」





なんで名前を聞くんだろう、頭にはてなマークを浮かべて





「望月……美晴」




私は自分の名前を小さく呟いた







「ん、ちょっと待ってて」




な……なんなのだ




何がしたいのかわかんない




ていうかこの人私の事知らないのかな?




珍しい




決していい意味ではないが




私はこの学年の中では名が知られていたほうだと思うのに




「アンタD組みたいだよ。D組の33番」




私の新しいクラス見てくれたんだ




「あ……りがとう」




「別に。人いっぱいなとこで跳び跳ねられても困るし」




うわ、見られてたんだ………はずかし……




「俺アンタよりデカイし?」




ニッと笑ってそいつは私を見た




………馬鹿にされてるのだろうか




「じゃあね、望月美晴サン」





そういうと行ってしまった





本当になんだったのだ、今のは





私は気付いてなかった




この出会いが私を大きく変えることを