涙と別れ

ばいばい。

君の事が大好きです。

だから、ばいばい。



｢余命あと２ヶ月です。｣

私に告げられた最悪な言葉。

あぁ、もう君と一緒に笑う事も、泣く事も、喧嘩する事も出来なくなるんだ。

君に言ったらどういう反応するかな。
…言えない。君を悲しませたくない。
迷惑をかけたくない。

だから…。

｢私さ、他に好きな人が出来たの。
だから別れてくれない？｣

自分で言ったのに言葉が胸に突き刺さる。
君と一緒に過ごせて、すごく幸せだった。
こんな終わり方…嫌だよ…。

｢……。｣

｢じゃあ、帰るね。
今までありがとう。ばいばい。｣



｢ふぇっ、ぅう…。｣

泣かないって決めてたのに、勝手に涙が溢れてくる。

君はいつか、他の人と付き合って
結婚して、子供も生まれて…。
幸せな家庭に恵まれるのかな。

そんなことを考えてるともっと涙が溢れた。

曲がり角を曲がると、精一杯走った。
行く場所とか決まってない。
ただとにかく、ひたすら走った。


―神様。私は何か悪い事をしましたか？
なんで私が不幸にならなきゃいけないんですか？
もっと、もっと、生きたかった。
生きて、友達や恋人とたくさん遊んだり。
泣いたり笑ったりしたかった。

でももう、無理ですよね。
これが私の運命なんですね…。

そんなことを考えてるうちに誰もいない公園についた。
ここは…君と出会った場所。
近くのベンチに座りただぼーっとしていた。

｢ごほっ、う…｣

息が苦しくなった。

あぁ、私こんなとこで死ぬんだ。
誰もいない公園。

でもここはただの公園じゃない。
君と出会った思い出の場所。
なら、ここでもいいかな…。

意識がだんだん薄れていき
私はその場に倒れ込んだ…。

『さよ、うなら…』