今少し触れただけの指先にも心臓が音を立ててる。



何年一緒にいようと、これは治らないんだろう。





……ってこんなんじゃ寝れないよ!!





『ばしっ』



「い…って!もうちょい優しく起こしてよ…。」



「優しくって何よ〜。おはようのチュー?」



「…それでいいよ。」



いや待て待て、冗談なんだけどなぁ。
まだ寝ぼけてるような朔に心の中でつっこむ。



「じゃなくて!帰ろう!ドキドキして寝られなくなった。」



「ドキドキ?まぁいいけど。」




そう言って、かばんを持って立ち上がった。



「…ん。帰るんでしょ?」




差し伸べられた手を、満面の笑みでとる。



「うん!」




朔の手は暖かかった。