近すぎるその距離から遠ざかりたくても出来ないという恥ずかしさに、少し涙目になるのがわかる。



すると朔の口元はにやりと笑い、



「俺は好きかも。だって美丘のこんな顔、見られるの滅多にないし。」




そう言われると、おでこにキスが落とされた。




「てか逆壁ドンしといて顎クイは恥ずかしいって…美丘は相変わらず基準がわからないね。」



「う、うるさいなぁ。顎クイは何だか難易度高いんだよ。」




このイケメンにやられることでさらに心拍数が上昇するんだろう。




「全部朔のせいだハゲ!」




「お前が言い出したんだろ白髪。」




……ごもっとも。


そして私はこれから『白髪』なんだね。




新しいネームが出来たところで、顎クイ試しは終了したのだった。