「ふーんだ!朔、わかってないでしょ?白髪は染められるけど、ハゲたら一文無しだよ?つるつるだよ?染める毛すらないんだよ?

よって私の勝ちだよ!」



「あーーうるさいよ。」




そう言ってのっそり立ち上がる朔。
私の手はまだ壁につかれたまま。

するといきなり手が伸びてきて、視界は上に。




………あ、これって…












「あんまりうるさいと口塞ぐぞボケ。」








案外近かった顔に驚き、さっきとは違う意味で熱を持つ頰。



俯きたくても顎は朔の手によって上を向かされている。








「あ…顎クイって……恥ずかしいよ。」