「それ……やめろ」

「それって?」

不思議になって顔を覗き込むと
須川の顔が赤く染まってる。

「上目遣い、ホントそれやばいから……」

「やばいって何が?」

「理性保つのが!」

「ふぇ!?」

あまりの言葉に変な声が
出ちゃったじゃんか……

「あー、もう!お前のせいだからな!
怒んなよ!」

「え?なに……んっ」

何を?って聞こうとする前に
須川の唇でふさがれた。

一度唇が離れたと思ったら
まだすぐふさがれる。

何度も角度を変えながら
キスをしてくる須川だけど
ちょっと、息がそろそろ……

「んっ!んー!」

何とか訴えると唇を離してくれた。

息が乱れる私と、息の乱れない須川。
何かムカついて
「もう帰るね!」と、言って教室を
出ようとすると、グイッと須川の
方に顔を向けられ短くキスをされる。

「なっ……」

「何、先に帰ろうとしてんだよ。
これからは……」

そう言って私の手を取り
恋人繋ぎをする。

「こう帰るんだよ、わかった?」

「あ、はい……」

慣れないことにまた顔が
赤くなったので下を向いて
バレないようにしてたのに
須川はそれに気付いて……

「また照れた?」

「うるさい!」

そんな会話をしながら
二人で帰った。