三秒間




隙あらばのんびり歩こうとする和真を急かしながら、なんとか学校に着いたのは、やっぱり時間ギリギリだった。


「おはようございます」


「はい、おはよう」


校門の前に立っていた先生らしき人に挨拶して中に入る。


少し進むと、大きな掲示板に新入生のクラス分けが掲示されてあった。


「今年こそは一緒のクラスだといいね、和真」


「そうだなー」


私たちは、ずっと同じ学校に通っていたのに、一度も同じクラスになったことがなかった。


だから、今年こそは、同じクラスになれたらいいな、と思っていた。


「あっ!朱里、俺達同じクラス!3組だって」


「本当?!良かったー!」


私は思わずホッとした。


同じクラスに和真がいてくれたら安心だ。


私たちは一緒に、入学式が行われる講堂に向かい、3組の列の席に座った。