三秒間




「おはよう、和真。時間、結構ヤバいよね?」


「え、そう?まぁ入学式くらい遅刻しても大丈夫っしょ」


「いやいや、大丈夫じゃないから」


和真は、頭は良くて何でも器用にこなせるのに、時間とかそういうことにはとてもルーズだ。


はっきり言って、だらしない。


それは小さい時から変わってなくて、時間ギリギリの時でものんびり歩くから、結局遅刻して、一緒に学校に行っていた私もよく怒られたっけ。


「今日は絶対遅刻させないから!ほら、急いで歩くよ!」


「えー、もう少しゆっくり行こうよー」


「嫌だ!高校生活初っぱなから遅刻したら恥ずかしいから!」


そう言って、私は和真を急かした。