「おはよう、和真。時間、結構ヤバいよね?」
「え、そう?まぁ入学式くらい遅刻しても大丈夫っしょ」
「いやいや、大丈夫じゃないから」
和真は、頭は良くて何でも器用にこなせるのに、時間とかそういうことにはとてもルーズだ。
はっきり言って、だらしない。
それは小さい時から変わってなくて、時間ギリギリの時でものんびり歩くから、結局遅刻して、一緒に学校に行っていた私もよく怒られたっけ。
「今日は絶対遅刻させないから!ほら、急いで歩くよ!」
「えー、もう少しゆっくり行こうよー」
「嫌だ!高校生活初っぱなから遅刻したら恥ずかしいから!」
そう言って、私は和真を急かした。
