朝。


目覚まし時計の音が鳴り響く。


「まだ眠い…」


布団の中でぶつぶつ呟いていると、


「朱里ー!早く起きなさい!新学期早々、遅刻するよ!」


一階から、お母さんの叫ぶ声がする。

「分かってる!」


そう返事はするけれど、私は中々布団を出られないでいた。


……あと5分だけ、5分だけ寝よう。


私はもう一回、掛け布団を頭まで被った。