「あの人、格好良くない?」 「ね、めっちゃタイプなんだけど」 「奥田くんって、県立中央高校蹴って西高入ったらしいよ」 「マジで?!超頭良いじゃん。彼女いるのかなー?」 和真が新入生代表の言葉を読み上げている最中も、あちこちでそんな声が聞こえてくる。 県立中央高校は、県内で一番の進学校だ。 和真がそこに受かってて蹴ったなんて、幼なじみの私でも知らなかった。 話してくれても良かったのに……。 なんだか急に和真との距離が離れてしまうようで、私は少し心細くなる。