「……!?」
わたしの唇に触れた氷のように冷たいもの。
認識する前に熱いものが唇を割って中に侵入してくる。
「んっ…ふ、ぅ……、っ」
およそ自分のものとは思えない声。
羞恥で涙を浮かべるわたしを映し、悠々と見つめるその鋭い瞳を直視なんてできるワケもなくわたしはギュッと強く目を瞑った。
冷たい唇と、対照的に驚くほど熱い舌がわたしを犯してゆく。
逃がさないとばかりに追いたててくるそれは、わたしの全てを喰い尽くそうとしているみたいで。
(し、死んだ……)
もはやされるがまま。
わたしはこの氷のようなまなざしの熱い狩人に狩られた獲物。
その籠の中から脱け出し、逃げ出すことなんてできないと悟ったのだった。
Fin.


