氷の唇、熱い狩人





だってだってだって、なんで何かを言うたびにわたしに顔を近づけるのよぉ!?


いい?先に言っておくわ。


相原 玲っていう御仁はね、性格に難ありだけどそれ以外はムカつくぐらい完璧なお人なの。


毎回のテストでは学年1位は当たり前、弓道部ではエースだともてはやされ、大会優勝入賞は容易いもの。


おまけにそのルックスは老若男女で魅了されるほど妖艶なことこの上ない。


もはや公害レベルだろ。公然猥褻物だろって感じ。


天然なのかどうかは知らないけど、自然な感じにウェーブした艶やかな黒髪。


抜けるように白い真珠のような肌。


形の良い優艶な赤い唇。


黒い瞳は切れ長で、いつも冷静を通り越して冷ややかな光を宿している。


スッと通った鼻は本当に日本人ですかって感じ。


おまけにその声。冷たい氷みたいな声なのに、どこか色気たっぷりに聞こえてしまうのだ。


つまりあれだ。


相原 玲という人間は全身でエロいってこと。



そんな人物に?


わたしみたいな平々凡々な人間が?


今気づいたけど壁ドンなんかされちゃって?


あまつさえその吐息がかかるぐらい顔を近づけられて?



……平気でいられるかっつーんだよこのやろおおぉぉぉーーっっ!!!