翔太は見た目のデカさと裏腹に、すっごい小心者だ。




「てゆうかな〜、唯!お前学校来るの遅すぎや!それよりもやな〜、学校来てなさすぎ!」




相変わらずバカでけぇ声で黒板の前から喋ってくる隣のクラスの担任の真崎(マサキ)。




『んー?そーかも知れへんな〜』




窓の外を眺めながら適当に答える。




「何やその適当な答えは!」




若干キレ気味の真崎。




『んー、とりあえず耳に響くからボリューム下げて。あと、担任でもない奴にゆわれたない』




相変わらず外を眺めながら思った事を伝える。




「何やその態度は!お前ええ加減ちゃんとしーや!冬夜と友紀をちょっとは見習え!」




ちっ、またかよ。




冬夜(トウヤ)と友紀(ユキ)は私の兄と姉。


姉が一昨年、兄が去年、この中学校を卒業したばかりだ。




ガタッーー




席を立ち上がり、鞄を持ってスタスタとドアに向かう。