このぼろアパートも今日でおさらば。



狭いし、

天井に穴空いてるし、

夏は暑すぎるし、

冬は寒すぎるし、

キッチンのガスはすぐ壊れたし、

週に3回はゴキブリかヤスデがでるし………



いいところを挙げようと思っても家賃が1万ということくらいしか思い浮かばない、ほんとクソみたいなぼろアパートだったけどーーー




まあ、楽しかったぞ?


そう言って立ち去ってあげることにする。





なにせ、これから私が行くところはーーー



こんなぼろアパートよりも遥かに豪華な宮殿みたいなところかもしれないし、


ゴキブリとヤスデと口臭いおっさんだらけの地獄よりも遥かに地獄なところかもしれないのだからーーー







「ロープOK、折りたたみ椅子OK、
ライターOK、花火OK……」




押入れの奥の方で見つけた小さな古いメモ帳。


それで作り上げた『自殺計画表』。



その最後のページのチェックリストに、私はどんどんチェックをしていく。




「ーーー棒OK。これで全部だ。」


メモ帳をパタンと閉じて私は立ち上がった。



ーーーシャッ!


カビくさいカーテンを開け、窓の外の光を浴びた。









「ーーーよし、自殺しよう」







そうです。


今日、私は自殺するんです。