「紅~、早く行きなさい」

彼女の母親が急かす。

「分かってるって」

そう言って彼女、林 紅は、

バスケ部の紅いユニフォームの入ったナップザックを担ぎ、

左手にバスケットシューズ、

右手に学生カバンを持って家を出た。