私の好きな人


〜 恭也 視点 〜


「やあ、皆さんお揃いで…
初めまして、俺は 一ノ瀬 辰也っていいます

こっちは照…ってもうご存知ですよね?
我々のこと」


一ノ瀬組若頭は、見た目二十代前後の爽やかな笑みを浮かべた男だった

その隣には、一ノ瀬若頭と同じ
二十代前後の男が俺らを見て動揺していた


そして…

一ノ瀬組若頭の腕にべったりと抱きついている見慣れた女がいた


「俺らが来たことは想定内ってことか?」

「ええ、まあ」


あっさり認めやがって…
どういうつもりだ…?


「立ち話もなんですから…
どうぞ、入ってください」


一ノ瀬組若頭はニコッと笑うと俺らを中に案内するかのように、こちらですと言いながら歩いて行った


「………恭也、どうする…?」

「入るしかねぇだろ
アイツらが何か仕掛けてくるかもしれねぇが…

一ノ瀬組若頭の近くには遥がいる
人質に他ならねぇからな…」


俺は小声で話してきた敦に言葉を返した


妙だ…
アイツら…一ノ瀬組若頭の態度がおかしすぎる…

普通、家まで乗り込まれたらさっきの男みたいに動揺するだろ…

それすら感じさせない態度…

どういうことだ…?


俺らは警戒心を強く持ったまま一ノ瀬組若頭の案内する場所に向かった