「ふぅ、では行きますよ!」
「どこからでもかかってき来ぃ。」
あたしは、朝餉の後、稽古のため動きやすい格好に着替え、中庭に来た。
そこで山崎さんに稽古をつけてもらうところだ。
「行きますっ!!」
懐に忍ばせておいた苦無を素早く取り出し、山崎さんにヒュッと投げる。
それを余裕綽々とよける山崎さんの背後に入り、苦無で首を狙う。山崎さんに苦無で止められ、グッと押した後、後ろに飛んだ。
山崎さんから苦無が飛んでくる。いつも山崎さんの狙いは的確で、急所に飛んでくる。今回は、心臓だ。それをかわした後、また別の攻撃が飛んでくる。
――今日は山崎さん攻めてくるな・・・
いつもはそんなに攻めてこないで、ある程度やったところで一撃で急所を攻めてくる山崎さんが今日はやけに攻めてくる。
そのとき苦無が頬をかすった。
一筋の線から少量の血が流れる。
―――クソッ
反射で後ろにさがった後、瞬時に前へきりかえし、苦無を横に振るう。
―――――キィン、キィン
しばらく攻防戦が続き、山崎さんがあたしの首元に苦無いを突きつけ、試合は終了した。
「ん、久しぶりの試合やったけど、スピードも落ちてないし、むしろ上がっててよかったんやないか?」
「本当ですか!?」
女のあたしはどうしても男相手だと、パワーにおとる。だから持ち前の身軽さとスピードを生かし、鍛えている。



