先生が好きだと気付いてから意識した途端恥ずかしくなって喋ることすらままならなくなっていた。

授業中、分からないところがあっても恥ずかしくて聞けない。

授業中分からなくてどうしようと悩んでいる私の耳と目に届いたのは追い討ちをかけるような声と光景。

『先生~‼︎ここ、分かりません』

『んー?ちょっと待ってな‼︎』

愛佳ちゃんだ。やっぱり可愛いなあ…


そして私の目に入ったのは先生と愛佳ちゃんがすごく近い距離で勉強を教えている姿。

しかもそれを何回も愛佳ちゃんは繰り返す。


はあ〜…自分すごい情けない。


でも分かんないし…勇気だそう…!


丁度愛佳ちゃんを教え終わった先生に声をかける。
『せ、先生、』

聞いていて恥ずかしくなるくらい情けない声。


『んー?』

近くに来てくれた先生にドキドキしながら情けない声で言う。

『こ、ここ…分からないんですけど…』

『んーとな、ここ、計算ミスだな』


そして問題が解けると『うん!良い感じ』って笑ってくれる。

笑うと優しい目が細くなってすごく可愛い。


そして授業が終わったあと、先生と仲の良い凛花がクーラーを調節していた先生にわざとドン!って冗談まじりにぶつかる。


『いったあ!!凛花のせいで腕折れたかも笑』


白い腕をさすりながらオーバーリアクションをする先生。

『もーそんなことしたら春奈が真似するだろ!』


え…?今、名前で呼んでくれた?


ドンッ


言われた通り真似をしてぶつかると
『ほらー言った通りじゃん笑』
って笑って返してくれる先生。


先生の肩に…触っちゃった。