「なぁシャノンさま 知ってるか?」


「え?」


「ヒマワリってさ
ずーっと太陽をさ
追ってるとかいうじゃん」


「うんうん
だから"向日葵"っていうんでしょ?」


「でもホントは違うんだぜ

一度ある場所で、花が開いたら
ずっとヒマワリは その場所を見てるんだ」


「え〜…ッ?!…そうなの?」


「らしいよ
なんかこないだたまたま
屋敷で、そんなこと聞いた」




さすが『庭師』だなぁとか
なんか、ばくぜんと、そう思う…


「でもリョウスケ?

そしたらさぁ…
ヒマワリはそのあと
なにを見てるんだろうね〜」




「空じゃね?」


「――… 空? 雲とか?」




「鳥かもしんないし」


「鳥かぁ…」




「…それか…

そいつが覚えてる
咲くまでずっと見てた
太陽かもしれない」




…そう言ったリョウスケの横顔が
なんだか淋しくて…


胸がギュウっとなって
目をそらしてしまった…